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空の話

20231120

皆さんこんにちは、松樹普天間本店賃貸部の山下です。今回も空にまつわる話をしたいと思います。ここ沖縄は離島などへ移動する際の交通手段の一つとして航空機を利用する機会が多々ある場所であることは皆さんもご承知の通りかと思います。(離島等から本島へ移動する場合も同じ。)では、その航空機を利用する際、時刻表等(空港内の出発便案内板棟には「定刻」と表示あり。→下記写真参照)に表示(記載)されている「定刻」とはどの時間のことを指しており、また、その意味についてまで理解されている方は少ないか思います。「そんなの余計なお節介だよ!」と仰る方も多数派かと思いますが、敢えて「小さな親切、大きなお世話!」を焼きたいと思います。
まず、掲示板等に表示されている「定刻」とはEOBT(Estimated Off-Block Time:移動開始予定時刻)を表しており、離陸予定時刻(Estimated Time Of Departure:読んで字の如く、滑走路から上空へ離陸する予定時刻のこと。)とは別物です。
では何故、移動開始時刻を「定刻」としているかと言うと、民間航空機の場合、まず駐機場(那覇空港の場合:北(南)ウイングに駐機していると仮定)から誘導路へ出る際、管制塔よりプッシュバックの許可が下ります。タグカー(力持ちの車両)に押し出される形で後退を開始します。機内にて「ご搭乗の皆様、ドアが閉まりました。離陸へ向けて移動を開始します。」等々のアナウンスが流れるタイミングです。次に管制塔より誘導路の走行許可が下ります。離陸する方向(那覇空港の場合、滑走路36:北向き、滑走路18:南向き)へ向けて誘導路走行を開始します。更に滑走路手前辺りにて最終の離陸許可が発出され、滑走路へ進入した後、フルスロットルにて離陸します。(着陸機が近い場合、滑走路手前にて待機させられる場合もあります。→離陸機より着陸機が優先されるためです。)といった流れになるわけですが、「定刻」を離陸予定時刻とした場合、離陸する滑走路までの移動に時間が掛かる場合(駐機場所の遠い、近いも影響あり。)、また到着機や離陸機が続いたことより、大気を余儀なくされることも多々あり、予定通りの時間に離陸できない可能性も出てきます。また、国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation:民間航空機の運用に関する事柄を統括する国際機関)にて航空機の運航をより安全・確実なものとするために導入されているシステムとなっているのも大きな理由です。
皆さん、次回、航空機に搭乗されるご予定のある方は、空港の出発表示板を眺めながら「あぁ、そう言えば、何か飛行機の時間のことで蘊蓄いってた奴がいたな!」くらいでの搭乗をお願いします。

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