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風と雲の話
2023年09月11日
皆さんこんにちは、松樹本店の山下です。今回は唐突もないお話を二つほど紹介したいと思います。
1,風の話
突然ですが、皆さん飛行機に搭乗されたことあるかと思いますが、那覇を出発し羽田へ向かう便に搭乗
した際と逆に羽田を出発し、那覇へ戻る便の飛行時間に違い(飛行距離は同じだが、約20分ほど羽田へ
向かう便のほうが飛行時間が短い。)があることをご存じですか?
そんなこと知ってるよ!と仰る方も多々あるかと存じますが、敢えて説明したいと思います。皆さんは
地球(って、いきなりスケールの大きな話ですが、)が自転していることをご存じかと思います。これに
よって地球上には赤道付近から北極と南極までをそれぞれ、低緯度、中緯度、高緯度と分類したうえで東
から西向きの風(偏東風:貿易風とも呼ぶ。)と西から東向きの風(偏西風)が吹いています。(気温の
上昇、下降も風の発生に大きな影響を及ぼします。)日本列島付近(上空)では中緯度偏西風が吹いてお
り、これにより那覇を出発した航空機が羽田へ向かって飛行をした場合、風の恩恵により約2時間20分
ほどで到着します。(逆ルートは約2時間40分ほどかかります。)
また、先日大きな被害をもたらした台風も発生間もなくの頃は、偏東風によって赤道付近から太平洋高
気圧のヘリに沿って進行(西向き)し、そのまま太平洋高気圧に沿うようにやや北向きへ進路を変換した
後、更に偏西風に乗ることによって時期にもよりますが、今頃の季節であれば、沖縄本島を通過する可能
性が高いものとなります。(太平洋高気圧の発達の度合いにも左右されます。ちなみに台風(低気圧)自
体は自身の力では移動することができません。)
2,雲の話
さて、次に雲についてですが、夏の時期によく見られる入道雲(積乱雲)ってご覧になったことがある
かと思います。夏の初め頃(6月梅雨明け頃)から9月下旬頃にかけて発生する雷雲です。(実際には年
間を通し発生していますが、この時期に発達する雲は水蒸気を多く含み、より鮮明に大きく見えるため、
入道雲=夏真っ盛りと広く認識されており、夏を表す季語にもなっています。)
よく見ると上空に向かってもくもくと伸びていることが解るかと思います。では、「どれくらい上まで
伸びているか?」と言いますと、地表から約10㎞から12㎞ほど上空まであるといわれています。
では、なぜこの高さまでなのか?地球は大気に覆われています。地表より上空約500㎞あたりまでに
対流圏(約10㎞程度まで)、成層圏(約12㎞から約50㎞まで:オゾン層含む。)、中間圏(約50
㎞から約90㎞まで)、熱圏(約500㎞程度上空まで。そして熱圏内100㎞より上空は「宇宙空間」
と定義付けされています。)の層にて構成されており、雲の発生を含む気象現象全般(降雨、降雪等)は
対流圏で起こるものとなっています。
よって、初めの「入道雲ってどれくらい上まで伸びてるの?」の答えは、対流圏内が限界(例外で夜光
雲は中間圏あたりで発生することがあります。)とされているため、地表より約10㎞から12㎞辺りに
まで上昇した雲は成層圏以上に上がれず、横に広がるように発達していきます。(写真参照:雲の形状が
加熱した金属を加工する際に使用される作業台=「金床:かなとこ」に似ていることから「金床雲」と呼
ばれています。)
3、まとめ
こんなくだらない話しかできない私ですが、今後ともよろしくお願いします。